イタコ
イタコについてはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
私も以前あるテレビ番組でイタコを見たことがあります。
そのテレビ番組では口寄せをしていました。
イタコに霊を降ろして憑依させ、死者の言葉を聞くという内容でしたが、バラエティー番組だったせいか、当たるとか当たらないとか以前に、話がちゃんと噛み合っていなかったような覚えがあります。
イタコも占いの一種だと知ったのは、それから何年か経ってからのことでした。
占いのことを調べていたときに、いわば霊能力の一種としてイタコが紹介されていました。
最近ではスピリチュアルなどが流行っていますが、そうしたものが流行る前からずっと、伝統的な御業としてイタコは受け継がれてきたのです。
歴史が長いということは、それだけ当たるという信頼の表れなのかもしれません。
イタコは自分の身体に呼び寄せた霊を降ろします。
イタコの身体に降霊することで、相手の本心を聞き出したり、相手に伝えたかったメッセージを送ったりすることができます。
このとき、自分の身体をこの世と霊をつなげる媒介として使っているため、占い師や霊能者というよりは霊媒師とみなされるようです。
シャーマンや巫女とも似ていますが、イタコは口寄せによって、神だけでなく、死者の霊魂、さらには生きている人の霊魂をも降ろすことができます。
知っている人の霊魂を呼び寄せる場合、当たるかどうかは依頼者の方がよく判断できます。
そのため、霊媒師として高い能力を備えていなければ、すぐに受け入れられなくなってしまいます。
イタコになるためには厳しい修行を乗り越えなければならないそうです。
修行が厳しすぎて途中で脱落してしまう人たちがほとんどだそうです。
そのため、近年では後継者が不足しているという噂も聞きます。
Mさん
急逝した母を口寄せしてもらいました。
母しか知らない探し物の場所を教えてもらうためと、何よりも最期に別れのあいさつがちゃんとできなかったことがずっと引っかかっていたからです。
占いというとまだ受け入れられますが、霊感とかになると少し怪しい感じがして、正直、最初は疑っていました。
それでも依頼したのは、普通の占いでは意味がなく、イタコに頼るしかなかったからです。
ただ、本物であれば何を聞いてもちゃんと当たるはずなので、少しでも的外れなことを言うようであれば、すぐにやめようと思っていました。
当たり障りのないような話から始まりましたが、話が核心に近づくにつれ、母と私しか知らないようなことにも言及されました。
「これは間違いなく当たる!本物だ!」と確信するよりも先に涙が出てしまいました。
母はもう思い残したことはないそうです。
それが聞けただけでも依頼した価値がありました。
最後の最後に「お疲れ様」と「ありがとう」を伝えることができてよかったです。